軽度三角頭蓋そして自閉症の息子「賢」

以下のテストはすべて私見によるものです。私は医者ではあ りません。でも二歳の息子の手術を決意する前には、三角頭蓋 についてかなり調べて勉強もしました。 以下の資料が皆さんのお役に立てる事を希望します。


軽度三角頭蓋って何ですか?

三角頭蓋は前頭縫合(metpoic suture)の早期癒合です。 その場所はおでこ中央、鼻の上から垂直に頭頂部まで続きます。
典型的なケースでは、おでこが鋭い三角形のように突出して いますので生後すぐにわかります。手術は1歳までに行います。
典型的な三角頭蓋
軽度の場は見た目にはわかり難いかもしれません。賢の場合 はごく軽度だったので、とてもわかりにくかったです。右の写 真を見て、三角頭蓋だとわかりますか?
術前の賢の頭の形
ごく軽度三角頭蓋


軽度三角頭蓋と自閉症との関係とはどのようなものですか?

下地医師は、1994年以降に手術を行った200例を越す症例につ いて、その80%は自閉症、あるいは自閉傾向を持っていると話 していました。そして、患者の90%以上が術後に改善を見たそ うです。

もしあなたのお子さんが、軽度三角頭蓋で、次の症状があると したら―言葉の遅れ、多動、発達障害、社会との関わりが持て ない、頭を打ち付ける自傷行為、易パニック、怒りっぽいなど ― その時は、軽度三角頭蓋がこれらの症状を引き起こす要因にな っている事が考えられます。

軽度三角頭蓋によって起こる頭蓋内圧亢進に関連したその他 の症状については、嘔吐、朝に起こる頭痛や視覚の問題がありま す。

自閉症や発達に遅れのある子供のうち、どれくらいの人数が軽 度三角頭蓋かあるいは他の軽度頭蓋縫合早期癒合を持っている かはわかりませんが、決して少ない数ではないと思います。

※しかし、ひとつはっきりと言っておきたいのですが、軽度三角 頭蓋は特殊な例で、自閉症の子が必ずしも三角頭蓋であるとい うことではありません。ですから、自閉症だからといって手術 をするわけではありません。


軽度三角頭蓋が、どのようにして自閉症状の要因となってい るか?

二つの要因:
  • 軽度三角頭蓋 >> 前頭蓋窩は狭く、前頭葉の容積は制限されている >> 小さい前頭葉 (1)>> 前頭葉の機能低下 >> 自閉的症状


  • 軽度三角頭蓋 >> 高い頭蓋内圧(2) >> 前頭葉の血流低下(3) >> 前頭葉の機能低下 >> 自閉的症状

備考:
(1) 前頭葉の機能は認知、言語、感情の抑制、遂行機能(物事をや り遂げる機能)や計画を立てる、細かな筋肉 を動かす能力など。

(2) 下地医師の論文では、56人全ての患者において頭蓋内圧は異常 に高いと述べています。 その 論文の要旨はここをクリックしてご覧下さいNew! 軽度の頭蓋縫合早期癒合と高い頭蓋内 圧、精神発達遅滞の関係については、他にも論文が存在してい ます。 論文の要旨はここをクリックしてご 覧下さい

(3) 200例を越える症例の80%は脳血流の低下を認めます。 多くの論文でも特に前頭葉において、自閉症の脳血流の低下について報告されています。 論文の要旨はここをクリックしてご 覧下さい

重要な備考: 三角頭蓋は頭蓋骨早期癒合症の一種です。 その他の軽度の頭蓋骨早期癒合症においても同じような効果が あるかもしれません。

下方の二つのサイトには、種々の頭蓋骨早期癒合症について説 明してあります。

手術とはどのようなもので、どのような効果がありますか?

手術は減圧頭蓋形成術です。通常手術は、コスメティックな目 的か、交通事故による緊急の場合に限ります。脳には一切触れ ずに骨を切除して形成するものです。

手術には二つの目的があります。まず一つ目は、前頭部を広 げて、そのことにより前頭葉の成長を促すというものです。
術後6ヶ月の前頭葉の成長を見るには、ここをクリックして下さいNew!
賢の術前術後の前頭部の形状を見るには、ここをクリックして下さい

二つ目は高い頭蓋内圧を正常に戻し、脳の血流を促進すると いうものです。その結果、多くの患者において症状の改善が見 られます。

手術は完全な治療法では無いかもしれません。しかし、症状 を改善する事においては大きな役割を果たします。
賢が手術後にどれくらい改善したかは、ここをクリックしてご 覧下さい。


どうして子供が軽度三角頭蓋だとわかったのでしょうか?

殆どの場合、軽度三角頭蓋だということはすぐにわかります。 子供の額の中央に、手または指を当てて、少し力を入れて触っ てみてください。鼻の付け根から頭頂部までを触って、もしど こかに骨(縦に走る骨の盛り上がり)が触れたら、しっかりと 探ってみてください。骨の盛り上がりがあるとしたら、おそら く軽度三角頭蓋と言えるでしょう。

もし、お子さんが異常に多動だとか感覚過敏があってわかり難 いときは、眠っているときなら判断しやすいかもしれません。

もし骨の盛り上がりがあると確信できなくても(確信できた としてももちろん)近くの病院の脳神経外科の医師を尋ね、3D-CTを撮っ て診断を受けるべきです。
ここをクリックして賢の3DCT映像をご 覧下さい

標準的なCTやMRIでは、前頭葉が小さいかどうかはわかります が、軽度三角頭蓋であるかどうかはわかりかねると思います。


3DCT以外に、診断の為の検査がありますか?

はい、他に3つの検査があります。


他の資料はありますか?

下地医師の報告して来た論文などの出版物を閲覧するには以 下をクリックしてダウンロードしてください。




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