日本伝統色
飛鳥・奈良時代
- 中国の影響を受け、唐風文化を模倣した時代
- 推古天皇
- 繧繝彩色 … 一つの色を3分割し、外側へ向かうほど明るい色を配置。一番外側の色の縁を白でくくる。グラデーションやフォ・カマイユ配色に相当
- 位階色 … 603年冠位十二階によって、階級に色を定めた
v22 |
v12 |
v3 |
v8 |
w |
bk |
徳 |
仁 |
礼 |
信 |
義 |
智 |
- 陰陽五行説 … 中国の陰陽五行説に色を結びつけた思想
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水 |
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玄武 |
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北 冬 |
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金 |
土 |
木 |
白虎 |
ほげ |
青龍 |
西 秋 |
ほげ |
東 春 |
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火 |
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朱雀 |
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南 夏 |
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- 禁色 … 身分相応の奢侈を禁ずる制度。一般的に紫や紅が金色、黄櫨染や黄丹は絶対禁制(天皇・皇太子のみが着用可)
d5 |
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v4 |
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s22 |
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d7 |
黄櫨染 |
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黄丹 |
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本紫 |
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菊塵 |
- 許色 … 染料の安価なピンクや黒、グレイ、藍など(染色に時間がかからず染料をあまり使用しない薄い色など)
平安時代
- 中国文化から脱却し、日本独特の和風文化へ移行した時代
- かさねの色目 … 季節の彩りを盛り込んだ装束の配色名。
- 重 … 1枚の袷仕立ての表裏配色。いわゆるリバーシブル
- 襲 … 十二単、五衣などの重ね着配色。いわゆるレイヤードスタイル
安土桃山時代
- 能衣装などの華麗な鮮やかで明快な色彩が好まれる
- 染色技術が向上
江戸時代
- 四十八茶百鼠
奢侈禁令(贅沢ダメよ令)により安価な染料や材質、地味な色調という制限の中で茶、鼠色が大流行
- 役者色
庶民の生活と密接な関係のあった歌舞伎役者の考案した色が流行
明治時代
- 合成染料が発明される
- 今までの鬱憤をはらすかのように、新橋色(セルリアンブルー)のような発色のよい鮮やかな色彩が好まれた
欧州の色彩
ルネッサンス初期
- 光や色彩は神の創造によるもので、それらを混合混色する事は神に背く行為とされた。集団洗脳
- そんな背景もあってか天然染料が豊富。特に緑が多い
d11+ |
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dk11 |
マラカイト
グリーン |
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サップ
グリーン |
ルネッサンス後期以降
- 錬金術の発達で、塩・硫黄・水銀から染料、顔料が発見される
- 油絵の具が登場。画家たちは写実的色彩表現を試行錯誤。透視図法、空気遠近法、キアロスクーロ(明暗画法)など色彩表現が飛躍的に向上
17世紀
- 光の世紀と呼ばれる
- 科学の分野で光の反射、屈折、回折などが発見される
- ケプラー 光の屈折学(1611年)
- スネル 屈折の法則(1621年)
- ホイヘンス 光の波動に関する原理(1678年)
- ニュートン 光学(1704年)
- バロック美術の画家による光の効果を捉えた作品の発表
- カラヴァッジオ
- ルーベンス
- レンブラント
- フェルメール
- ヴェラスケス
- 照明効果を駆使した舞台芸術の発達
18~19世紀初期
- 光の混色による色彩の模索がなされる
- それに伴う補色関係の発見
- ルブロン コロリット(三原色刷版画)の考案(1731年)
- ドールトン 公演で自らの色覚異常を報告(1794年)
- ヤング 色覚の三原色(1801年)
- ルンゲ 球形の色立体を考案(1810年)
- ゲーテ 色彩論(1810年)
- ショーペンハウアー 視覚と色彩(1816年)
- 合成無機顔料の恩恵を受けた画家たち
d11+ |
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b8 |
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dp12 |
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dk12 |
プルッシャン
ブルー |
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クローム
イエロー |
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クローム
グリーン |
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ビリジャン |
19世紀
- 合成染料の発見
- 視覚、色覚に関する研究が盛ん
- ヤング・ホルムヘルツの三原色説 三色説御三家
- ヘルムホルツ
色の合成理論(1852年)
生理光学(1856年)
- マクスウェル
混色色彩計(1852年)
色の合成理論とスペクトル色との関係(1860年)
- グラスマン
色の混合理論(1853年)
- へリングの反対色説
- ヘリング
反対色説(1874年)
次いで、プルキンエ現象、ベゾルト・ブリュッケ効果の報告
シュブルール 「色の同時対比の法則とそれに基づく配色について」
- 現代色彩学の骨格が確立
- ルード
「モダン・クロマティックス/現代色彩学」(1879年)
- 美術においては、印象派を中心に絵画の色彩研究が盛んに
重要色
合成無機顔料
プルッシャンブルー |
d11+ |
1704年ベルリンとパリで同時に発見されたせ開発の無機顔料。葛飾北斎「富嶽三十六景」、ピカソ「青の時代」で使用 |
クロームイエロー |
b8 |
1809年ヴォークランがクロム鉱石から析出。ゴッホ「ひまわり」で使用 |
クロームグリーン |
dp12 |
1815年クロームイエローにプルッシャンブルーを合成して完成。20世紀にフタロシアニンブルーを合成 |
ビリジャン |
dk12 |
1856年ギネが水和酸化化合物の特許取得 |
合成化学染料
モーブ |
v20 |
1856年パーキンがコールタール系のアニリンを用いて偶然発見。葵の意 |
マゼンタ |
v24 |
1859年ヴェルカンがアニリンから合成。伊仏連合軍が豪軍を破ったマゼンタの戦いが同時期にあったためこの名前がついた |
アリザリン |
dp2 |
1866年クレーベがアゾ染料で合成(和名:茜) |
インディゴ |
dp17 |
1880年バイヤーが合成(和名:藍) |
- その他、アニリン染料として同時期に発見されたものに
ロザニリン・ブルー、アニリン・ブラック、ホフマンス・バイオレット、マラカイト・グリーン、ビスマルク・ブラウンなど
赤系統
ヴァーガンディ |
dkg3 |
赤ワインの色 |
一斤染
(いっこんそめ) |
p3 |
ごく薄い赤。紅花一斤で絹2反染めた事が由来 |
鴇色 |
sf3 |
鴇の羽色 |
蘇芳色
(すおういろ) |
d11+ |
濃い紫みの赤。マメ科植物が原料の染料 |
臙脂色
(えんじいろ) |
d11+ |
濃い赤。動物性染料 |
オールドローズ |
ltg4 |
灰色がかった、くすんだ赤黄 |
橙系統
スカーレット
(緋色) |
s4 |
鮮やかなオレンジ。ペルシャ語の織物に由来 |
ヴァーミリオン |
b3 |
黄みを帯びた赤色。硫化水銀の顔料 |
マリーゴールド |
d5 |
鮮やかな赤みの黄。花色 |
黄丹
(おうに) |
v4 |
禁色。皇太子の正式服色。紅花と支子 |
黄櫨染
(こうろぜん) |
v6 |
禁色。天皇が儀式に着用する |
茶系統
エクリュ
(生成り) |
ltg5 |
さいないらして麻や絹の色 |
マルーン |
d6 |
スペイン栗の色。マロンが語源 |
セピア |
dkg6 |
イカ墨 |
琥珀 |
d6 |
樹脂が化石化した琥珀色 |
媚茶 |
dp8 |
オリーブ系の茶 |
黄系統
クロームイエロー |
v8 |
ヴォークランが1809年にクロム鉱石から析出。
ゴッホのひまわりに使われる |
ネープルズイエロー |
sf8 |
ナポリの黄。ネープルはナポリを表す |
シャトルルーズ |
sf9 |
リキュールの色 |
苅安色 |
b8 |
古くから黄色染色に使用。イネ科カリヤス |
支子色
(くちなし) |
ltg8 |
くちなしの実で染めた黄 |
緑系統
クロームグリーン |
dp12 |
1815年クロームイエローにプルッシャンブルーを合成して完成。20世紀にフタロシアニンブルーを合成 |
マラカイトグリーン |
d11+ |
孔雀石原料の天然顔料 |
サップグリーン |
d9 |
ほげ |
鶸色(ひわ) |
p9 |
緑みの黄 |
萌葱色(もえぎ) |
ltg9 |
ねぎの新芽色。黄緑を表す代表的な色 |
緑青色(ろくしょう) |
ltg11 |
銅をのざらしにしてできた緑の錆び |
麹塵(きくじん) |
d10 |
禁色。天皇の平常時の服色 |
青系統
- プルッシャン・ブルー
- ウェッジウッド・ブルー
- ケンブリッジ・ブルー
- セルリアン・ブルー(新橋色)
- ナイルブルー
- ウルトラマリン
- ラピスラズリ(瑠璃色)
- 瓶覗(かめのぞき)
- 熨斗目色(のしめ)
- 納戸色(なんど)
- 藍
紫系統
Last update : January 20, 105
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